医療機関を取り巻く法制度は、年々改正が重ねられています。
特に「医療法人制度」や「ガバナンス」「情報公開」に関する項目は、開業医の皆さまが見逃すと大きなリスクにつながることも。
この記事では、開業医の方が知っておくべき近年の医療法改正の重要ポイントを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。
目次
✅ 1. 「医療法人ガバナンス強化」の義務化
令和5年以降、医療法人のガバナンス(内部統制・運営体制)の強化が制度的に求められるようになりました。
🔍 改正ポイント
- 監事の機能強化(内部監査の実効性重視)
- 理事会・社員総会の運営記録の厳格化
- ガバナンスに関する年次報告の義務化
医療法人を設立する際も、形式的な書類だけでなく「中身のある運営体制」を審査される傾向が強まっています。
✅ 2. 「持分あり法人」からの移行促進
2007年の改正で「持分あり医療法人」の新設は廃止され、今後は「持分なし法人」への移行が促進されています。
💡 持分あり法人とは?
- 出資者が持ち分(退社時に払い戻し可能)を持つ医療法人
- 出資者の死亡時に相続財産として評価され、相続税が課税対象
🌀 移行しないリスク
- 相続トラブルの温床に
- 金融機関からの評価が不利になる可能性
- M&A・承継時の障害になることも
✅ 3. 医療法人の「定款・登記事項」に厳格な審査
🏛 審査で特に見られるポイント
- 理事の数と構成(役割の適正)
- 理事長選定の過程
- 事業目的における医療行為の明確な定義
- 非営利性の担保
福岡県でも、定款案の文言が曖昧なだけで再提出を求められるケースが多数あります。
テンプレートではなく、審査の傾向に沿った定款文例が求められます。
✅ 4. 医療機関の「情報公開」義務の拡充
医療法改正により、医療機関が公開すべき情報の項目が拡大しています。
🧾 主な公開義務
- 職員数・資格・勤務体制
- 外来・入院の患者数・診療実績
- 第三者評価の取得状況
📌 ホームページ等での掲載が推奨されており、未対応のクリニックは見直し必須です。
✅ 5. 「医療DX」・「電子カルテ」推進も法制度で後押し
2023年から2025年にかけて、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)が政策的に推進されています。
- 電子カルテ情報共有サービスの導入
- オンライン資格確認の義務化
- 電子処方箋システムへの対応
📌 これらは経営の自由度だけでなく法令順守の面からも重要。
診療報酬や補助金にも影響するため、早めの整備が望まれます。
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